人の死に関する風習や迷信
「お通夜の後、ろうそくの灯や線香を絶やさない様にする」
故人を思うがために、何か自分にもできることはないだろうかという考えから、うまれた行為の様に思います。
ろうそくの灯や線香の煙を見ながら、故人の死を考え現実を受け入れる時間をつくったのではないでしょうか。
もしも絶やしたら死者が迷う・・ということらしいですが、翌日の葬儀に備えて眠った方が賢明で現実的です。

「火葬場の行き返りの道を変える」
これは死者が家に帰ってこられないようにするためだそうです。
親しい間なら、家に帰ってこれるならその方がいい気もしますけど、どうでしょう。
現在は、地域差もありますが霊柩車がそのように行き返りの道を変えるということは行っていない様です。
今の世の中、霊柩車も忙しく次の故人がお待ちです(><)
最短ルートが1番です。
ただ「自宅の前を通ってほしい」という希望は、葬儀社によっては叶えてくださる葬儀社もあるようです。別料金ですけどね。
病院⇒葬儀場⇒火葬場
現在一般的な様ですが、火葬場は出棺時間が決まっているので病院から葬儀場に向かう時にご自宅の前をという要望をした方が融通がきくようです。
「北枕にして寝るのはよくない」
北枕は死人が寝る方向だからと言われています。
北枕は死をイメージしてしまうということでしょう。
でも、仏教発祥の地のインドでは、北枕で寝るという習慣があります。
たとえば、ホテルなどの宿発施設は、できるだけ北枕になるように部屋が設計されています
最近の日本のお家事情では北枕で寝ざるを得ない状況もありますよね。
宗教的根拠はないようですので、あまり気にしなくてもいいのではないかと思います。

「お葬式に参列したら玄関先や身体に塩をまく」
霊が付いてくるのを忌み嫌うことからお清めの意味で塩をふります。
でも、葬儀が終わった時点で成仏されてるのでついてくるようなことは無いと思います。
仏教にもお清めの塩という概念はありません。(神教にはある様です)
葬儀に行くような親しい間柄の方の場合は、悪い霊ではないので清める必要はないんじゃないかと、最近はお塩をまかなくなってきました。
なんとなく宗教的と言うより、マナーとか儀礼の様になっている気がしますね。
「友引に葬儀を行ってはいけない」
カレンダーの友引は中国での時刻占いに使われており、日本のカレンダーにも機械的に並べられています。
本来は「勝負なしの引き分け(共引)」、良くも悪くもないという意味だそうです。
でも、日本では「友を引く(連れて行く)」と勝手に解釈されてしまいました。。
現在でも全国的に友引に葬儀が行われない地域があります。
友引に関する扱いは暗黙のマナーとして認識されがちですが、あくまで迷信ですので、必ずしも守らなければいけないわけではありません。
現在は友引に関して柔軟にとらえる人も 増えてきましたが、年配の方などはこの迷信を大切にしている人もいるようです。
火葬場は友引をお休みにしている所もあるそうで、友引明けには混みあうことが多いそうです。
宗教的に根拠はないですが、友引は葬儀が少ない傾向です。
「霊柩車をみたら親指をかくす」
小さな頃、霊柩車をみたら「親指を隠さなくちゃ」とあわてて手の内側に親指を隠したことのある方いらっしゃいませんか?
どうしてそういわれたのかは考えたことはなかったのですが。。
・親の死に目に会えない
・親が早死にする
親にとってよくないことが起こるとされていました。
親指の爪の間から魂が出入りすると考えられていたという説もあります。

引用:東京葬儀
現在では、こういったキンピカの霊柩車は少なくなってきました。
葬儀場周辺で毎日、霊柩車を見たくない等の苦情や周りに知られずにひっそりと葬儀を行いたい方のニーズが増えてきたからです。
また霊柩車には会社名等も入れずにいた方が葬儀社の方も
霊柩車を見て親指を隠す行為はもう必要なくなるかもしれないです。
まとめ
迷信を信じている年齢層は年配者よりも、40歳から54歳で気にする方が多いそうです。
まさに私と同じ世代ですが、戦争を体験したおじいちゃんおばあちゃんが昔を思い出したり、教育として孫に話すことが多かったのではないかと思います。
今ほど核家族化も進んでいないので、昔からの風習や迷信を普段からコミュニケーションの中で得られた時代と思われます。
私も宗教的な行為とは考えていませんが、「初詣」『お守り」「お札」等は日常で何の違和感もなくとらえています。
普段は気にしなくても、人が亡くなった時や不安になった時など気になる方もいるかもしれませんね。
また、科学的根拠はありませんが、昔の人々の知恵と工夫が詰まっている場合があります。
意外と理にかなっていたりするんですよね。
結局、信じるか信じないかは自分次第。
でも、惑わされたり、振り回されることのないよう、改めて考えてみるのもいいかもしれませんね。